クッションとなる人材

どんな職場でも人間関係の問題や派閥というのは存在するものです。細かい派閥は取り上げていけばキリがありませんが、一番分かりやすいのは「看護師派閥」「医者派閥」、そして院長などの「経営者派閥」ではないでしょうか。すべての医療従事者は、自分の仕事にプライドを持っています。その立場は医者だろうが看護師だろうが関係ありません。それはとても素晴らしいことなのですが、その一方で医者は医師免許を持っていない看護師を軽んじる風潮があったり、看護師は医師免許を持っていることを棚に上げて適切な診断治療に導けない医者に呆れてしまっている、なんていう職場も中には存在しています。また、患者と言うのは不満や疑問を看護師に伝えることが多いですから、そこに軋轢が生じてしまうこともあります。そしてそんな雰囲気を察することのできない経営者は、無理難題を押し付けてくることもあり、医療スタッフと経営者との間で溝が出来てしまうこともあるのです。

病院の人間関係を円滑にする方法として、「お互いに尊敬の念を持つ。思いやる」なんていうのは当たり前の話です。そんな標語で環境が改善するならば、スタッフの入り口にでも貼っておきましょう。有効な手段の一環としては、やはりそれぞれの派閥のクッションとなる人間を置くことです。プライドに固執せず、あらゆる人間から聞く耳を持ち、それでありながら周りから一目置かれる存在。特に最後のところがポイントで、どうしても医者の中には医師免許を持っていない人間を認めないという人もいるようです。しかし頭でっかちの医者では本末転倒ですので、看護師や経営者からの聞く耳を持つ人として、純粋さの残る研修医や女医を迎えることも妙案でしょう。逆に医師の一人にそういう仕事を任命するのも良いかもしれません。ただしその場合、人選にはくれぐれも注意しましょう。